コンサル基礎スキル / 会議ファシリテーションの実践

 

はじめに

みなさんは会議を正しく「ファシリテーション」できていますか?

 

コンサルタントとしてプロジェクトを推進していくにあたり、クライアントとの会議を適切にファシリテートし、円滑な意思決定を促すことは重要です。

しかし会議のファシリテーションが上手くできないコンサルタントは数多く存在します。

会議のファシリテーションが上手くできないと、

  • 目的とする意思決定まで時間がかかる
  • プロジェクトが遅延する
  • 無駄な工数が発生し疲弊する
  • クライアントからの信頼が得られない

といったような弊害が生まれてしまいます。

 

「会議」はクライアントと直接対峙する「タッチポイント」であるが故に、会議でのプレゼンスはコンサルタントにとって非常に重要です。

本記事ではコンサルタントであれば必ず身につけたい「会議ファシリテーションの実践」を解説します。

プロジェクトを円滑に推進するためにも「会議ファシリテーションスキル」をぜひ磨きましょう。

  

良い会議とは

まずは「会議」の定義について確認していきます。

ここでは「会議」を「様々な⼈が集まり、話し合いながら、何かを決めるもの」と定義します。

例えば、会議の種類には以下のようなものがあります。

  • 進捗会議
  • 意思決定会議
  • ステアリングコミッティ
  • ブレスト
  • 1 on 1  等

これら多様な会議がある中で、コンサルタントは会議をファシリテーションする機会が多くあると思います。

ファシリテーションする目的はやはり会議を「良い会議」にすることです。

 

では「良い会議」とはどのようなものなのでしょうか。

筆者の考える「良い会議」とは、以下の特徴を持つ会議だと考えます。

  • 化学反応が起こる
  • 物事が決まる
  • ネクストアクションに繋がる
  • 出来れば短時間で終わる

化学反応が起こる

化学反応が起こる会議は「良い会議」です。

化学反応の例は、例えば

  • 新しいアイデアが生まれる
  • 課題を解決する新たな方策が見つかる
  • メンバー同士の結束が強まる

などがあります。

会議という同じ時間を参加者全員が共有する場で、参加者の集合知が発揮されることで新たな発見を得られることを「化学反応」と呼んでいます。

物事が決まる

会議では何かを決めなくてはなりません。

目的のない会議は時間の無駄であり、会議を行い参加者の時間を割く以上、会議では「なにかを決める」ことをゴールとしましょう。

そのために会議のアジェンダを用意し、ゴールに向かって会議をファシリテーションする必要があります。

ネクストアクションに繋がる

仮に達成したかったゴールや決定事項が決まらなかったとしても、「次に誰が何をするか(ネクストアクション)」をしっかり定義しましょう。

なんとなく会議を行い、なんとなく終了。次に誰が何をするんだっけ?という会議は最悪です。

会議のクロージングでは必ず「ネクストアクション」を定義し、参加者間で共有しましょう。

できれば短時間で終わる

会議の時間を1時間確保した際に、1時間きっちり時間を使わなくてはいけない、と思う方も多いと思います。

しかし会議の時間は短ければ短いほど良いのです。

「短い時間で決めることが決める」というのが「良い会議」の特徴です。

予め決められた時間を超過してしまうのはもっての外ですので注意しましょう。

時間を超過してしまいそうになった場合は、参加者の合意を取り延長するかネクストアクションをまとめ次回の会議を調整するようにしましょう。

 

会議運営のPDSサイクル

コンサルタントは会議を「良い会議」にするためにはどうしたら良いのでしょうか。

ここでぜひ覚えてほしいのが以下「会議運営のPDSサイクル」です。

Plan:会議の計画(企画→設計→準備)

「良い会議」にするためには、入念な計画が必要です。

会議の計画は「企画」→「設計」→「準備」の順番で行います。

企画フェーズで検討すべき事項は主に以下3点です。

  • 会議の目的は?
  • 会議の参加者は?
  • 会議の開催手法は?(オンライン / オフライン 等)

これらをしっかり定義した上で、次の設計フェーズでは以下3点を定義します。

  • 会議時間は?
  • 会議に必要な資料は?
  • 会議のアジェンダは?

その後、準備フェーズで以下3点を実施し、会議の準備を完成させます。

  • 会議資料の作成 or 作成依頼
  • 会議場所の準備
  • 参加者の招集とアジェンダの通知

これら会議の計画をしっかりできるか否かでクライアントからの印象は大きく変わりますし、会議で得られる効果も変わります。

面倒くさがらず、慣れないうちは例え短い会議であっても入念な計画を行いましょう。

Do:会議の実施(オープニング→ボディ→クロージング)

会議の実施は「オープニング」→「ボディ」→「クロージング」の3部構成を意識します。

まず「オープニング」では以下を行います。

  • 会議の目的を明確にする
  • アジェンダを共有し時間配分を認識してもらう

特に重要なのは「会議の目的を明確にする」ことです。

会議の目的はできれば口頭ではなく資料上でテキスト化することで、参加者の理解度が上がり論点がズレにくくなります。

次に「ボディ」で意識したいのは一点だけで、

  • 発散と収束を意識したファシリテート

です。

「発散」とは意見を出してもらうことで、より多くの参加者からより多くの意見が出る会議が「良い会議」です。

ファシリテーターは参加者が意見を出しやすい雰囲気作りができるようにしましょう。

コツは「否定をしない」「発言していない人に機会を与える」ことで、一人が一方的に喋っているような会議では、なかなか他の参加者から意見が出にくい場合があります。

一方で会議のファシリテーターは「収束」も意識する必要があります。

「収束」とは、会議の目的に向かって議論を収斂させることであり、様々な意見をまとめたり、論点がズレそうになったら会議の目的に合わせて議論を修正したりします。

この「収束」プロセスは会議時間を意識して行う必要があります。

最後に「クロージング」部分では以下2点を行います。

  • 本会議の結論をまとめる
  • 次のアクションをまとめる

ボディフェーズで収束させた論点の結論を導くのがこのクロージングフェーズで、このクロージングフェーズで更に意見が分かれたり、新たな議論が生まれてしまう状況は、「会議をファシリテート」出来ていません。

クロージングフェーズに至るまでに、ボディフェーズである程度議論を「収束」できるようにしましょう。

またこのクロージングフェーズでは、「次のアクションを決める」ことが重要です。

会議では予定通り100点満点の結論を出せることは稀で、必ず次のアクションが生まれます。

ポイントは必ず生まれる「次のアクション」を会議のクロージングの場で参加者全員で共通認識を持つことです。

See:会議の評価

一流のファシリテーターになるためには、会議後に「会議の評価」をすることを怠ってはいけません。

会議の評価プロセスでは、「対外的」と「対内的」に分かれて実施します。

まず「対外的」な会議評価とは、具体的には以下を指します。

  • 議事録の発行
  • タスクの管理
  • 次のアクションのドライブ

会議での議事録をまとめ関係者へ展開するとともに、会議の中で発生したタスクの進捗管理も合わせて行う、もしくは行う担当をアサインしましょう。

また会議の中で定義した次のアクションを具体的にどう推進していくかを検討することも必要です。

一方で「対内的」な会議評価は「振り返り」の実施を指し、具体的には以下を行います。

  • 自己評価
  • 上司からのフィードバック

自身の会議ファシリテーションを振り返り、良かったこと・改善できることを洗い出します。

また同時に上司からの自身の会議ファシリテーションに対するフィードバックをもらうことも重要で、自身では気付いていない癖や改善点に気付く機会になります。

これら振り返り結果を自身のノウハウとして蓄え、次回の会議で実践することで、会議ファシリテーションスキルは格段に向上します。

 

 

このように会議は行なって終わりではなく、「準備→実施→評価」のPDSサイクルを回すことが一流のファシリテーターへの最短ルートです。

コンサルタントたるもの、会議のファシリテートは当たり前のようにこなせるようにしたいですね。

  

さいごに

本記事では、コンサルタントであれば必ず身につけておきたい基礎スキルの一つである「会議ファシリテーションの実践」を解説させていただきました。

本記事を執筆している KICK ZA ISSUE株式会社では、企業のIT化/DX化のお悩みを解決できる各種コンサルティングサービスを提供しています。

ご相談は無料ですので、お気軽に こちら からお問合せください。

ありがとうございました。

 

 

 

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